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発達指向型組織研修とは?研修で終わらせない導入の進め方を解説

発達指向型組織研修は、成人発達理論に根ざした「発達指向型組織(DDO:Deliberately Developmental Organization)」の考え方を自社に取り入れるための研修です。個人のスキルを高めるだけでなく、日々の仕事や対話そのものを、人が成長し続ける場に変えていくことを目指します。

発達指向型組織では、事業の成果を上げることと人が育つことを別々の目標として扱いません。ただし、その実現には研修を一度実施するだけでは足りず、経営層の関与や日常のマネジメント、フィードバックの仕組みまで見直す必要があります。

本記事では、発達指向型組織研修で学べる内容や向いている企業、研修で終わらせないための導入の進め方、注意点、支援会社までをまとめました。発達指向型組織そのものの考え方については、「発達指向型組織とは?」のページで詳しく解説しています。

発達指向型組織研修・導入支援におすすめの会社を紹介

「発達指向型組織 研修」と検索して表示された上位10サイトの中から、公式サイトで発達指向型組織(DDO)や、その土台となる成人発達理論に基づく研修・組織開発支援を提供していることが確認できた会社を掲載しています。(2026年9月29日時点)

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オーセンティックワークス(発達指向型組織づくり支援)

オーセンティックワークス_公式サイトキャプチャ
引用元:オーセンティックワークス公式サイト
(https://www.authentic-a.com/deliberately-develomental-organization)

発達指向型組織を日本に紹介した知見をもとに、組織文化から支援する

オーセンティックワークスは、発達指向型組織の考え方を国内に広めてきた組織開発の会社です。代表の中土井僚氏は、ロバート・キーガン教授らが発達指向型組織を紹介した著書『なぜ弱さを見せあえる組織が強いのか』(英治出版、2017年)の監訳を務めています。

同社が着目しているのは、多くの組織で「自分の弱さを隠す」ために費やされている見えない労力です。弱点を見せないよう挑戦そのものを避ける、建前と本音が分かれて計画が実行されない、といった状態を減らし、その労力を成果と成長に向けられる組織文化づくりを支援しています。

研修・コーチング・組織開発を組み合わせたオーダーメイド設計

研修をはじめとするオフサイトの人材育成には、期間が限られる、日常業務から切り離される、対象者が限られる、個人だけが対象になるといった共通の限界がある。同社はそう捉えています。

そのため、特定の研修を当てはめるのではなく、経営層を対象とした発達指向型エグゼクティブ・コーチングや組織開発コンサルティング、リーダーシップ開発プログラムなどを、組織の状況に合わせて組み合わせて設計します。日常業務の中で人が育つ仕組みを組織に根づかせたい企業に適した支援です。

公式HPで支援内容を詳しく見る

渡邊&アソシエーツ(成人発達理論に基づくリーダーシップ開発・組織開発)

ハーバード大学教育大学院でロバート・キーガン教授に師事した渡邊理佐子氏が代表を務める会社です。成人発達理論に基づくリーダーシップ開発と組織文化の変革、リーダー向けのコーチング、成人発達度のアセスメントなどを提供しています。代表の渡邊理佐子氏とコンサルタントの渡邊竜介氏は、いずれも成人発達度の認定測定者や、変化をはばむ思い込みに向き合う「Immunity to Change(ITC)」のファシリテーターの資格を持っています。税理士法人TOTALグループの発達志向型組織への変革プロジェクトでも、ファシリテーターを務めています。

エタニティーズ(成人発達理論に基づく組織開発・人材育成)

IDGs(Inner Development Goals)や成人発達理論に基づく組織開発と人材育成を事業の柱とする会社です。心理学や組織開発の理論をもとにしたコンサルティング、プログラム、コーチングを提供しています。発達指向型組織については、弱さの開示は強制ではなく安心から生まれるものであり、制度の導入ではなく文化を耕すプロセスであると解説しています。そのうえで、心理的安全性の土台となる「ホーム」の構築を優先する段階的な進め方を示しています。

アンファク(企業における成人発達理論)

人材育成や組織開発に関する動画講座を提供するアンファクのプログラムで、発達指向型組織の土台となる成人発達理論を、企業での活用に焦点を当てて学べます。講師は、インテグラル理論を研究し、企業の人材育成・組織開発に約20年携わってきた一般社団法人Integral Vision & Practice代表理事の鈴木規夫氏です。理論の基礎から、人材育成施策、採用やオンボーディング、組織設計、後継者育成、組織開発、コーチングへの応用までを扱います。人事担当者が理論を理解したうえで導入方針を検討したい場合に活用しやすい内容です。

発達指向型組織研修とは何か

DDOの考え方を組織に取り入れるための研修

発達指向型組織とは、ハーバード大学教育大学院のロバート・キーガン教授とリサ・ラスコウ・レイヒー氏が提唱した、成人発達理論に根ざした組織のあり方です。業績と個人の成長を両立させるために、研修の場ではなく、毎日の仕事や対話を通じて人が育つように組織をつくり込む点に特徴があります。

この考え方を経営層や管理職が理解し、自社の会議やフィードバック、日々のマネジメントに取り入れていくための研修が、発達指向型組織研修です。理論を学ぶだけでなく、受講者自身が自分の思い込みや限界に向き合う体験を通じて、組織文化を変える担い手を育てることを目指します。

一般的な人材育成研修との違い

一般的な人材育成研修は、特定の期間に、選ばれた対象者が、日常業務から離れた場でスキルや知識を学ぶ形が中心です。

一方で発達指向型組織の考え方では、こうした研修の形そのものに、期間が限られる、日常業務と切り離される、対象者が限られる、組織ではなく個人だけが対象になるといった限界があると捉えます。そのため発達指向型組織研修は、研修の場を組織が変わるきっかけと位置づけ、研修後に日常業務の中で成長を支える仕組みをつくるところまでを視野に入れる点が大きく異なります。

発達指向型組織研修で
学べること

成人発達理論に基づく「大人の成長」の捉え方

発達指向型組織の土台には、大人も生涯にわたって知性や意識を発達させ続けるという成人発達理論があります。キーガン教授は大人の知性を、周囲の期待に合わせて動く「環境順応型知性」、自分の価値観で方向性を定められる「自己主導型知性」、複数の視点や矛盾を受け入れられる「自己変容型知性」の3段階で説明しています。

研修では、スキルの習得とは異なる、ものの見方そのものが広がる成長とは何かを理解し、自分や部下の成長を捉える視点を身につけます。

変化をはばむ自分の思い込みに気づく

変わりたいと思っているのに行動が変わらない背景には、本人も気づいていない思い込みや不安が隠れていることがあります。

キーガン教授らは、こうした変化をはばむ心の仕組みを可視化する手法として、著書『なぜ人と組織は変われないのか』で「免疫マップ」を紹介しています。研修では、改善したい目標と、それを妨げている行動、その裏にある不安や固定観念を書き出し、自分の成長の課題を具体的に捉えていきます。

挑戦と支援を日常に組み込む方法

発達指向型組織では、限界に挑む「エッジ」、弱さや課題を安心して扱える「ホーム」、成長を日常に定着させる習慣や仕組みである「グルーヴ」の3つが支え合っています。

研修では、この3つの考え方を自社の会議や1on1、フィードバックの場にどう取り入れるかを具体的に検討します。表面的な行動だけでなく、その前提にある考え方にまで踏み込むフィードバックのあり方も、発達指向型組織ならではのテーマです。

発達指向型組織研修が
向いている企業

研修をしても現場の行動が変わらない企業

階層別研修やスキル研修を重ねても、職場に戻ると元の行動に戻ってしまう企業では、学んだことを日常で実践し続ける仕組みが不足している可能性があります。

発達指向型組織研修は、研修の効果が続かない原因を、日常業務の設計から見直したい企業に向いています。

本音と建前が分かれている企業

会議では前向きな発言が出るのに、実行が伴わない。本人がいない場所では不満が語られている。こうした状態は、弱みや本音を見せることがリスクになっている組織で起こりがちです。

弱さを成長の材料として扱える組織文化をつくることで、建前のやり取りに費やされていた労力を、本来の仕事や改善に向けられるようになります。

変化に合わせて人と組織が進化し続ける必要がある企業

事業環境の変化が激しく、求められる役割や能力が次々と変わる企業では、一度身につけたスキルだけでは対応が追いつきません。

社員一人ひとりが自分の限界に向き合い、成長し続けることを組織として後押しする発達指向型組織の考え方は、変化に適応し続ける組織をつくりたい企業に適しています。

発達指向型組織の導入事例

経営幹部15名から始めた発達志向型組織への変革

税理士法人TOTALグループは2021年1月、企業理念の実現に向けて、発達志向型組織(DDO)への変革プロジェクトを開始しました。前例のない変化に柔軟に適応するには、社員全員が共に考え、共に未来を切り拓く組織文化が欠かせないと考えたことがきっかけです。

プロジェクトは2段階で設計されています。第1段階では、経営幹部15名がリーダーシップに関する意識変革と自己変革に取り組みます。第2段階では、参加した幹部全員がDDO推進委員となり、組織全体の変革を主導します。ファシリテーターには、ロバート・キーガン教授に師事した研究者を迎え、プロジェクトの成果を科学的に検証していく方針も示しています。

参照元:税理士法人TOTAL公式サイト
(https://total-office.jp/2021/01/25/ddo/)

ルールを絞り、多様性で人が鍛えられる組織をつくる

サイボウズでは2017年、代表取締役社長の青野慶久氏と、『なぜ弱さを見せあえる組織が強いのか』の監訳者である中土井僚氏が対談しています。その中で、同社の組織運営が発達指向型組織の考え方と照らし合わせて語られました。

例えば、働き方を一人ひとりに合わせて選べる人事制度を整え、社員ができるところで貢献できる環境をつくっていることが挙げられています。また、「世界一のグループウェアメーカーになる」という理念を社内の判断の軸にしていることや、掲げるルールを絞り込み、「嘘をつかない」「公明正大」といった基本姿勢で安心を担保していることも語られています。異なる価値観がぶつかることを組織の学習の機会と捉える考え方も、発達指向型組織の特徴と重なります。

参照元:サイボウズ式
(https://cybozushiki.cybozu.co.jp/articles/m001340.html)

弱さを成長の資産と捉えるブリッジウォーター・アソシエイツ(海外)

キーガン教授らが研究対象とした発達指向型組織の一つに、米国の投資会社ブリッジウォーター・アソシエイツがあります。研究対象となった企業はいずれも、業績と個人の成長のどちらかを選ぶのではなく、両者を一体のものとして捉えていた点が共通していました。

同社では、自分がどれだけ優れているかを気にして弱さを隠すのではなく、弱さを成長のための資産として扱い、乗り越えるべき課題として設定することが奨励されています。創業者のレイ・ダリオ氏が社員に投げかけた、自分の優秀さと学習の速さのどちらを気にしているのかという問いは、発達指向型組織の「エッジ」を象徴するものとして紹介されています。

参照元:オーセンティックワークス公式サイト
(https://www.authentic-a.com/deliberately-develomental-organization)

発達指向型組織研修の費用相場

実施形式別の費用目安

発達指向型組織の考え方を取り入れる支援は、組織の状況に合わせて研修やコーチング、組織開発を組み合わせるオーダーメイド型が中心のため、料金を公開している例は限られます。

考え方や土台となる理論を学ぶ講座としては、アンファクの「成人発達理論スターベーシック講座」があります。料金はスタンダードプラン18万円(リアル参加と1年間の動画・アーカイブ視聴)、アーカイブプラン15万円、コンプリートプラン24万円です。また、同社の動画講座「企業における成人発達理論」は、個人向けが月額10,000円、法人向けは要相談です。(2026年9月時点)

費用が変動する要因

発達指向型組織づくりは研修だけで完結するものではないため、支援の範囲によって費用が大きく変わります。経営層へのエグゼクティブ・コーチングや推進チームへの伴走支援、組織サーベイや成人発達度のアセスメントを組み合わせるほど、費用は大きくなります。

一方で、いきなり全社で取り組むのではなく、経営層や一部の部門から小さく始めることで、初期の費用を抑えながら自社に合う進め方を見極めることもできます。費用の考え方は、組織改革コンサルの費用相場のページでも詳しく紹介しています。

発達指向型組織
づくりの進め方

経営層・幹部の自己変革から始める

発達指向型組織では、役職にかかわらず全員が自分の限界に挑むことが求められます。経営層だけが例外であれば、社員は弱さを見せることを安全だとは感じません。

そのため、まずは経営層や幹部が自分の思い込みや課題に向き合い、自ら変わる姿勢を示すことから始めるのが効果的です。

推進チームをつくる

経営層の取り組みを組織全体に広げるには、変革を担う推進チームが必要です。

研修に参加した幹部や管理職が推進役となり、各部門での実践を支援したり、取り組みの状況を共有したりすることで、発達指向型の文化を組織全体に広げていきます。

日常の会議・1on1・フィードバックに組み込む

発達指向型組織の考え方は、特別な研修の場ではなく、日常のやり取りの中で実践されて初めて根づきます。

例えば、1on1を進捗確認だけで終わらせず内省の場として使う、会議の最後に学んだことを共有する、行動の背景にある考え方まで扱うフィードバックを習慣にするなど、日々の仕組みに成長の機会を組み込みます。

定期的に振り返り、仕組みを更新する

発達指向型組織は、一度つくれば完成するものではありません。

取り組みを続ける中で、形だけの儀式になっていないか、挑戦と支援のバランスが崩れていないかを定期的に振り返り、自社に合う形へと仕組みを更新していくことが大切です。

発達指向型組織研修を
導入する際の注意点

弱さの開示を強制しない

発達指向型組織では弱さを共有することが重視されますが、それを義務として課すと、かえって心理的な負担や反発を生みます。

弱さを見せられるのは、見せても不利益を受けないと感じられる安心感があるからです。まずは挑戦を支える「ホーム」をつくることを優先しましょう。

制度の導入で終わらせない

フィードバックの仕組みや新しい会議のルールを導入しても、それだけで組織文化が変わるわけではありません。

仕組みはあくまで文化を育てるための手段です。導入した仕組みが本来の目的どおりに使われているかを確かめながら、時間をかけて文化を耕していく姿勢が求められます。

成果と成長を切り離さない

人の成長を重視するあまり、事業の成果が後回しになってしまっては、発達指向型組織の考え方から外れてしまいます。

仕事の成果を上げることと人が成長することを一体として捉え、日々の業務の中で両方を追求することが、発達指向型組織研修を生かすうえでの前提です。

発達指向型組織研修を
検討している方へ

自社の課題と結びつけて検討する

発達指向型組織は理想的な組織像として語られることが多いものの、自社の課題と結びつかなければ、現場からは抽象的な取り組みに見えてしまいます。

研修の効果が続かない、本音が出ないなど、自社が抱えている課題から検討を始めましょう。

理論を学ぶ場と実践する場をセットで考える

成人発達理論や発達指向型組織の考え方を学ぶだけでは、組織は変わりません。

研修で理論を理解したうえで、日常業務の中で実践し、振り返る場をあわせて設計することが重要です。

小さな範囲から始めて広げる

全社で一斉に始めるよりも、経営層や一部のチームから取り組み、手応えを得ながら広げていく方が、無理なく文化として定着させやすくなります。

専門的な知見を持つ支援会社に相談しながら、自社に合った始め方を検討してみてください。

まとめ
自社に合う組織変革研修会社を探す

組織変革に向けた研修は、対象者や課題によって選ぶべき内容が変わります。
管理職育成、次世代リーダー育成、理念浸透、部門間連携、1on1の定着など、目的に合った研修を選ぶことが重要です。

研修会社を比較しながら、自社の課題に合う支援先を探したい方は、組織変革研修の種類やおすすめの研修会社をまとめたページをご覧ください。

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