組織改革コンサルの費用は、契約形態と支援の範囲によって大きく変わります。期間を区切って取り組むプロジェクト型では数百万円から数千万円程度、継続的に助言を受ける月額の顧問型では月数十万円から、研修やワークショップを単発で依頼する場合は1回数十万円からが一つの目安です。
ただし、組織改革コンサルは支援内容を企業ごとに設計するのが一般的なため、料金を一律で公開している会社は多くありません。総額だけを比べるのではなく、「何を、どこまで、どのくらいの期間支援してもらえるのか」を確認することが、適正な費用を判断するうえで欠かせません。
本記事では、公開されている料金例をもとにした費用相場、費用の内訳、費用が変動する要因、見積もりを比較するポイント、費用を抑えながら効果を出す方法までをまとめました。
当メディアの掲載企業のうち、公式サイトまたは『日本の人事部』のサービス掲載情報で、費用の目安や料金の考え方を公開している会社を掲載しています。(2026年9月29日時点)
オーセンティックワークスでは、取り組む課題の範囲や期間に合わせて支援内容を組み立てるため、料金は案件ごとの見積もりです。1回のワークショップだけを依頼することも、半年から複数年をかけて伴走してもらうこともでき、目的に応じて費用が決まります。
多くの場合は、まず1.5〜2時間程度のオンライン講演から始め、社内で賛同や共感が広がった段階で2〜3時間程度のセッションを実施し、必要に応じて半年ほどのプログラムへと段階的に展開していきます。最初から大きな予算を確保しなくても、手応えを確かめながら支援の範囲を広げられる進め方です。
対象は中小企業から中堅・大企業までと幅広く、経営者や役員、人事部門を主な窓口としています。中小企業の場合は、顧問契約として毎月1.5時間程度の面談を積み重ねていく形式にも対応しています。
既製のパッケージを当てはめるのではなく、表面的な課題の奥にある本当の要因を見立てるところから始め、U理論や成人発達理論を基盤に、人と組織のあり方の変容に働きかける点が特徴です。一時的な学びで終わらせず、組織が自ら変わり続ける力を育てたい企業に適しています。
独自の組織開発手法で組織風土を変革し、人材と組織の実行力を高めるコンサルティングです。費用は支援の範囲によって異なり、現状把握と改善提案までで300万円からとされています。相談は無料で受け付けています。組織の現状を診断し、課題を明確にしたうえで改善の方向性を決めたい企業にとって、プロジェクト型の費用感をつかむ参考になります。
人事制度と連動した教育体系や人材育成体系を構築し、社員が主体的に学べる教育制度を設計するコンサルティングです。見積例として、月額550,000円(税込)からが示されています。研修を単発で実施するのではなく、人事制度や経営戦略と結びついた育成の仕組みを継続的に整えたい企業にとって、月額型の費用感の目安になります。
エグゼクティブコーチングと組織開発コンサルティングを通じて、リーダーの意識と行動の変容を支援している会社です。経営者向けのエグゼクティブコーチングは、価格例として90分10万円からが示されており、部長層や経営層など対象者に応じて価格が変わります。最初に無料のトライアルセッションを体験できるため、経営層の変化から組織改革を始めたい場合の費用感をつかむ参考になります。
| 契約形態 | 主な支援内容 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| プロジェクト型 | 組織診断から改善提案、人事制度の改定、全社の構造改革など | 数百万円〜数千万円程度 |
| 月額顧問型 | 経営会議への同席、定期的な助言、施策の継続的な伴走 | 月数十万円〜 |
| スポット型 | 単発の研修、ワークショップ、講演 | 1回数十万円〜 |
| コーチング型 | 経営者・幹部への個別コーチング | 1回あたり数万円〜十数万円程度 |
プロジェクト型は、特定の課題の解決に向けて期間と成果物を定めて取り組む契約です。数か月から1年単位で集中的に関わるため総額は大きくなりますが、全社規模の変革を短期間で進めたい場合に適しています。
月額顧問型は、毎月決まった頻度で助言や面談を受ける契約です。プロジェクト型に比べて初期の負担を抑えやすく、社内で施策を進めながら、必要なタイミングで外部の知見を取り入れたい企業に向いています。
スポット型やコーチング型は、研修やワークショップ、経営者との対話など、特定の場面に絞って依頼する形です。本格的な契約の前に、コンサル会社との相性を確かめる入り口として活用する企業もあります。
| 会社名・サービス名 | 支援内容 | 公開されている料金 |
|---|---|---|
| 日本能率協会コンサルティング(組織開発コンサルティング) | 現状把握・改善提案 | 300万円〜 |
| グローウィン・パートナーズ(HRコンサルティングサービス) | 人事制度策定 | 1,200万円〜/9か月〜 |
| タナベコンサルティング(教育体系構築・人材育成体系構築コンサルティング) | 教育体系・人材育成体系の構築 | 月額550,000円〜(税込) |
| アイディール・リーダーズ(エグゼクティブコーチング) | 経営者向けコーチング | 90分10万円〜 |
| エイチ・ティー(キックオフミーティング等でのワーク作成・実施支援) | 半日研修(3時間) | 講師・運営費40万円+研修企画費20万円 |
| Respect each other(リスペクト・トレーニング ワークショップ) | チームビルディング研修 | 50万円〜 |
| アチーブメントHRソリューションズ(理念浸透サーベイ) | 理念浸透度の診断 | 10万円〜 |
出典:『日本の人事部』組織開発サービス掲載情報(2026年9月時点)。税込・税抜の記載がないものは掲載情報のまま記載しています。
組織の現状を診断して改善策を提案してもらうだけでも数百万円規模になる一方、研修やサーベイなど特定の施策に絞れば、数十万円から依頼できることが分かります。自社がどの段階の支援を求めているのかを整理すると、必要な予算の目安をつかみやすくなります。
産労総合研究所の「2025年度(第49回)教育研修費用の実態調査」によると、2024年度の従業員1人あたりの教育研修費用(実績)は36,036円で、前年度より1,430円増えています。企業規模別では、大企業が39,553円、中堅企業が36,195円、中小企業が31,788円でした。
また、今後1〜3年の教育研修費用の総額を「増加する見込み」とした企業は57.7%にのぼり、その理由として、人的資本経営による人材育成投資の必要性や教育体系の見直しなどが挙がっています。自社の人材育成にかけている費用と比べることで、組織改革にどの程度の予算を割くかを検討する目安になります。
※調査対象は上場企業および同社会員企業から任意抽出した約3,000社で、回答企業は159社です。教育研修費用には、教育スタッフや受講者の人件費(給与)は含まれていません。
費用の中心となるのが、コンサルタントがプロジェクトに関わる時間に対する費用です。関わるコンサルタントの人数や役職、1か月あたりの稼働日数によって金額が決まるのが一般的で、支援の範囲が広く、関与が深いほど高くなります。
組織改革の多くは、サーベイや、経営層・社員へのヒアリングによる現状把握から始まります。診断ツールの利用料や、アンケートの設計・集計・分析の費用がかかり、対象人数が多いほど費用は増える傾向があります。
施策として研修やワークショップを実施する場合は、講師やファシリテーターの費用、プログラムの設計費、教材費などが必要です。合宿形式で行う場合は、会場費や宿泊費も別途かかります。
コンサルタントの交通費や宿泊費、会場費、受講者ごとにかかる診断ツールの費用などは、見積もりとは別に実費として請求されることがあります。見積もりを受け取った際は、どこまでが含まれているかを確認しておきましょう。
提案書や計画の作成までを依頼するのか、施策の実行や現場への定着まで伴走してもらうのかによって、費用は大きく変わります。現場に入り込んで実行を支援するほど、コンサルタントの稼働が増えるためです。
数か月で完了するプロジェクトと、1年以上にわたる伴走支援では、総額に大きな差が出ます。月額型の場合も、面談や会議への同席が月に何回あるかによって金額が変わります。
対象となる社員数や部門数が多いほど、ヒアリングやサーベイ、研修の回数が増え、費用は大きくなります。また、経営層を対象とした支援は、高度なファシリテーションやコーチングが求められるため、費用が高くなる傾向があります。
人事制度の全面改定や組織の統廃合など、多くの関係者の利害が絡むテーマほど、設計や調整に時間がかかります。組織文化や社員の意識の変革のように、成果が出るまでに時間のかかるテーマも、支援が長期にわたるため費用が増えやすくなります。
複数社から見積もりを取った際は、総額の大小だけで判断せず、支援の範囲、期間、関わるコンサルタントの人数や稼働日数を並べて比較しましょう。同じような金額でも、提案書の作成までで終わる会社と、実行支援まで含む会社では、得られる成果が大きく異なります。
組織改革は、売上のように成果がすぐ数字に表れにくい取り組みです。そのため、エンゲージメントサーベイのスコアや離職率、会議での発言の量など、何をもって成果とするかを契約前にすり合わせておくことが大切です。成果の測り方が明確な会社ほど、費用に見合う支援かどうかを判断しやすくなります。
コンサルティングの成果は、実際に担当するコンサルタントの経験や相性に大きく左右されます。見積もりの段階で、誰がどの程度の頻度で関わるのかを確認し、可能であれば面談で人柄や進め方を確かめておきましょう。
コンサルティングの契約には、業務を遂行すること自体に対して報酬を支払う準委任契約や、成果物の完成に対して報酬を支払う請負契約などがあります。契約形態によって責任の範囲や支払いの条件が異なるため、途中解約の条件とあわせて、契約前に確認しておくことが大切です。
いきなり全社規模のプロジェクトを依頼するのではなく、講演や短時間のワークショップ、特定の部門でのトライアルから始める方法があります。手応えを確かめてから支援の範囲を広げれば、初期の費用を抑えつつ、自社に合うコンサル会社かどうかを見極められます。
外部の支援に頼り続けると、費用がかさむだけでなく、支援が終わった後に取り組みが止まってしまうことがあります。社内の推進者が組織開発の進め方を身につける「内製化」を見据えて依頼すれば、長期的な費用を抑えながら取り組みを続けられます。
研修を実施する場合は、厚生労働省の「人材開発支援助成金」を活用できる可能性があります。この助成金は、事業主が雇用する労働者に対して、職務に関連した専門的な知識や技能を習得させるための訓練を計画に沿って実施した場合などに、訓練の経費や訓練期間中の賃金の一部を助成する制度です。
コースによって対象となる訓練や助成の内容が異なり、訓練の開始前に計画の届け出が必要になるコースもあります。最新の要件は厚生労働省のページで確認しましょう。
組織改革の効果は、離職率やエンゲージメントスコア、生産性などの数値だけでなく、会議での発言の増加や部門間の連携といった行動の変化にも表れます。数値と行動の両面から効果を確認する仕組みを用意しておくと、投資の妥当性を社内で説明しやすくなります。
制度の導入や研修の実施は数か月で完了しても、社員の意識や組織文化が変わるまでには、半年から数年単位の時間がかかることがあります。短期で確認できる変化と長期で目指す変化を分けて目標を設定しておくことで、途中で「効果が出ない」と判断して取り組みを止めてしまうことを防げます。
初回の相談や見積もりの作成を無料で受け付けている会社は少なくありません。ただし、詳細な現状診断を伴う提案の場合は有料となることもあるため、相談の段階で確認しておきましょう。
中小企業の経営実態に合わせた支援を行う会社や、月1回程度の面談を重ねる顧問形式に対応している会社もあります。予算の上限を最初に伝えたうえで、その範囲でどのような支援ができるかを相談してみるとよいでしょう。
研修やワークショップのみを単発で依頼できる会社は多くあります。ただし、研修だけでは組織の行動が変わりにくいテーマもあるため、研修後のフォローや現場での実践支援まで含めるかどうかを検討しておくことをおすすめします。
組織改革コンサルの費用は、契約形態、支援の範囲、期間、対象となる組織の規模によって大きく異なります。プロジェクト型では数百万円から数千万円程度、月額の顧問型では月数十万円から、研修やワークショップでは1回数十万円からが目安ですが、料金を一律で公開している会社は多くありません。
費用を判断する際は、総額の大小ではなく、何をどこまで支援してもらえるのか、成果をどう測るのかを確認することが大切です。小さく始めて手応えを確かめながら支援を広げる方法や、内製化、助成金の活用も視野に入れながら、自社に合ったコンサル会社を選びましょう。